• NPO法人AABC(アジアン・エイジング・ビジネスセンター)
  • 2008/5/31 09:57:38

日本が歩んだ経済開発が、いわばジャパン・シンドロームとしての少子高齢化、輸入依存、そして結果としての「自然人の移動」の自由化を惹起していると思うのだが、国際人口移動の新潮流に関する研究会で、「ガラパゴス・シンドローム」という言葉が飛び出した。ガラパゴス諸島は、ダーウィンが進化論を発表するヒントになった島であり、イグアナやゾウガメなど珍しい生物の宝庫として有名である。しかしこの島の生物は絶海の孤島に隔離されたことで特殊進化したものたちであり、他の地域では生きていけない。そして、いまや大きな環境変化の危機にさらされている。
 この状況は全く日本社会の状況と似通っているというのである。日本の発展は、いわば国際社会と一線を画した中で特殊発展してきたために、この地域にしか生きられない固有種のような存在ばかりになって、国際化という環境変化に不適応状況に陥っているというのである。
 人口減少局面に入った日本は、今後600万人とか1200万人とかいう労働人口不足に陥ると予測されているのであるが、あいかわらず海外からの労働人口受け入れについては、わずかな規模の専門職や研修生や日系人の受け入れにこだわり続けている。中には、たとえ経済が縮小しても、一切海外からの受け入れを排除する方がいいという論議まである。だがそれは豊かさを享受している現在の壮年や高齢者の言い分であり、もしそういう路線が現実になれば、豊かさを享受できず、負担だけを迫られる若者は反乱し、あるいは海外逃亡を図る事態に陥るという世代間闘争を予測する説もある。
 いまや、労働力確保の世界競争の時代に突入しているが、日本はまだ現象としての「失業」が多いという事態に、求職者も雇用者も目を奪われており、日本社会が特殊進化したために陥っている構造的な危機としてとらえることが不足している。「ガラパゴス・シンドローム」論は、アナロジーとしていろいろなことを考えさせてくれる

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