NPO法人AABC(アジアン・エイジング・ビジネスセンター)
2008/6/24 04:17:41
都市計画区域と農業振興地域という地域区分があって、国土交通省と農林水産省で分野調整を図ってきたのが日本の行政である。しかしこの2つの区分は画然と分かれているわけではなく、相互に指定が重なった状態にある。その指定の重なった地域の乱開発を抑止するために、市街化調整区域が設定され今日にいたっている。
市街化を抑制された市街化調整区域では、基本的に農業が維持される地域と考えられてきたが、農業収益が上がりにくい時代を迎え、農家は農業後継者を確保できず、住民が高齢化する一方で、若手の住民も子供もいない高齢地域になってしまい、将来展望が開けない中、いつまでも開発を抑止されたままに据え置かれることへの不満が出てきた所も現れているようである。市街化調整区域の指定を一斉に解除した場合、今のような日本全体が人口減少段階に突入してしまった中では、過剰な不動産の供給によって、新たな課題を生み出すことが懸念される。
元来市街化地域の中が完全に用途に供されるようになるまでは開発を抑止するというのが、市街化調整区域の設定理由だったはずである。しかし、現在の市街化区域内の農地が宅地に転用されても、入居率は必ずしも高くなく空家のままになっているところも出ている状態である。どうも量的な面からだけ考えれば、住宅の需給バランスは、供給過剰の状態に向かっているようである。
また、市街化区域の中でも、傾斜地に建っている古い住宅地では、高齢者が住みづらい状況となっている。そこを転売して新居に移ろうとしても、そのままでは新しい入居者を探すことができないし、いったん更地にすると税が高くなってしまうので、そのまま空家として放棄する事態も現れているようである。
あいかわらずまだ住宅団地開発は、子育て真っ最中の世帯をかき集めるというコンセプトで進められているものが多い。こうした年齢のフィルターリングをかけるような開発のやり方は、昔ニュータウンと言われた住宅団地がいまや高齢化の課題に直面しているという現実問題を将来にまで拡大するようなものである。
人口の高齢化を真正面に据えた都市計画のあり方を根本的に問い直す時代を迎えているといえるだろう。(2008.6.20)
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