NPO法人AABC(アジアン・エイジング・ビジネスセンター)
2008/7/01 12:57:09
都市計画区域と農業振興地域という地域概念がある。それは国土交通省と農林水産省の政策テリトリーを規定するものである。このふたつの地域指定は重なり合っているので、秩序ある開発・振興を図るために、1970年代に市街化調整区域が設定されている。しかしこの線引きは一方に都市的な地代、他方に農地としての地代という経済格差を生み出し、開発の許諾が私権を制限することになったために、今日、その見直しが図られるようになっている。
実際、農村でいわゆる「限界集落」といわれるような小規模高齢化集落への支援策が論じられるとともに、都市内部でも同じように高齢化が進んで高齢人口集中地区が現れていることへの関心が高まり、「限界団地」とか「限界商店街」などというジャーナリスティックな言葉が飛び交うようになっている。そして市街化調整区域に住まい続けている人々もまた、都市に近い所ではあるけれども都市的開発が規制され、農地としての利用しか認められていないために限界化している。農業は採算が合わなくなり、自家転用もいろいろな条件でなかなか許可を得られず、急場の現金が必要になって売ろうにも農地としての評価ではあまりにも低い価格になり、担保にして金を借りようにも評価額が低すぎて思うような金額は借りることさえできないという住民の不満が渦巻いている。こうして市街化調整区域から若い人々は離れ、残ったのは高齢者だけで、小学校から生徒の姿が消えなんとしている。結局市街化調整区域にして行政が公共用の土地を収用する時の評価額が低く抑えることができただけでしかないのではないかという住民からの反発は大きい。
おそらくもう1970年代の発想で都市計画や農業振興を考えることはできないだろう。新しい枠組みを構築して、これまで我慢をしてきた結果が報いられるような仕組みにしなければ、住民の納得は得られないだろう。都市行政はこうした問題を真っ正面から取り組まなければならない時代になったといえる。(2008.6.26)
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