地方都市の人口減少は、少子高齢化が進んだ結果である。そしてこれからもこの傾向が続くことは年齢別人口構成をみれば、容易に予想がつくことである。しかしそれでも人々の感覚はその現実に追いついていけない。今の65歳以上高齢者の半分しか14歳以下の子供はいないのであるから、どれだけ地元に子供をひきとめたからといっても、人口は減少する。そして、人口減少に歯止めをかけるとすれば、次のような方策しかない。
1.子供の生める年齢層ががんばってもう一人か二人の子供を生めるようにする社会的努力が必要であろう。だが、女性が子供を産むことの負担を一手に引き受けざるを得ない状況が続けば、まず子供は増えない。子供を生む家族あるいは女性に対して、子供を生まない、生めない女性や男性や家族やすべての年齢層が支援する社会保険や税で支援する「公的育児保険」あるいは「育児所得保障」を考えるか、全事業所で「所得補償つき育児休暇」を実施するほか、出産促進はできないだろう。
2.高齢者がいっそう長生きすれば出生数の減少を補って人口増加を実現できる可能性はある。だが、それにも限界はある。
3.そこで自然増減ではなく社会増減に目を向ける必要がある。いかにして転入超過を図るかという方策である。そのためにはUJIターン策をあらゆる年齢層に即して多様に取り組む必要があろう。よそで勉強した青年の帰還、よそから結婚しにやってくる男女、よそで仕事をしていた壮年の地元での起業、定年後の帰郷や新田園生活、子供や高齢者の養護受託などありとあらゆる可能性を検討する必要があろう。地元在住人口だけに目を奪われると、やせほそる人口となるが、もともといた人口が全国に広がって増えていると考えれば、それら拡大した人口のネットワークをまずは強化する必要があるだろう。
4.さらに人口が減少する地方都市でも、確実に外国人が移住し始めている。人種もフィリピン、インドネシア、ロシア、中国、韓国とさまざまである。配偶者、エンターテイーナー、研修生という形で転入してくる外国人は、短期滞在から次第に長期滞在あるいは永住へと進む可能性が高い。すでに地方都市でも、外国人の母親とその子供を支援しなければならない社会的ニーズに取り組む活動が始まっている。合計特殊出生率という指標で人口単純再生産の目安となる2という数値を維持できているのは先進国ではアメリカ合衆国だけである。それが可能だったのはアメリカ合衆国が移民の受入国であり続けたからである。そうだとすると、地方都市の人口減少対策としては、この移住外国人の招致しかないのかもしれない。それも今の規模よりもっと大量に受け入れなければならない。
こういう実態に備えた地域の取り組みが、徐々に芽生え始めている。
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