NPO法人AABC(アジアン・エイジング・ビジネスセンター)
2008/10/22 15:23:50
高齢化に関わるシンポジウムで中国の青島市を訪問した。中国、韓国、日本の政策を考えるシンポジウムの一分科会であった。全体のトーンは、アメリカ発の金融危機の波及に対するかなり厳しい見通しの中で、経済連携、医療倫理、環境、高齢化、現在文化といった課題についての論議が展開した。しかし高齢化の分科会は、3年目の会でありながら、論議が深まらないもどかしさを感じてしまった。
シンポジウムを終えて、市内を見てみようということになったが、そこで見たのは、結婚記念写真を撮るために、ドイツ風の建物、公園、海岸など、至る所にたむろするカップルと撮影スタッフの数の多さであった。近くでみると、白いウェディングドレスは汚れ、その下はGパンであり、スニーカーを履いて、重たいドレスを担ぎながら次の撮影現場へと急ぐ姿に、圧倒されてしまった。写真で白く見えるのは海岸に陣取って撮影されているカップルたちである。
この風景をみてしまうと、まだ中国では、高齢化という言葉は知っていてもまだ実感がないという現実は分かる。日本の経験からいえば、高度経済成長を成し遂げた1970年が人口高齢化の段階に入った年でもあったのだから、当時はやはりこんな感じだったのだろう。けれども、その後あっという間に30年が過ぎ、結婚が少なく、子供が生まれず、人口減少が生じ、高齢者のみ増加する社会になっていることを嘆く日本になってしまった。中国も20年後には確実にこれらのカップルが、親たちの老後を考えなければならない時代を迎える。たとえ実感がなくとも、準備は怠りなく進めるのが政策立案者たちの責務だろう。
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