• NPO法人AABC(アジアン・エイジング・ビジネスセンター)
  • 2009/1/17 19:50:45

「始動する外国人材による看護・介護:受け入れ国と送り出し国の対話」という国際ワークショップが佐川平和財団の主催で2009年1月15日16日、東京で開かれた。その中で印象に残ったのは、送り出し国側からは、EPAの枠組みを超えて、看護師資格の相互認証に踏み込むべきだという主張であった。二国間の経済協力協定であるEPAでインドネシア・フィリピンから看護師・介護福祉士候補者を受け入れるという枠組みは、外国人研修制度のバリエーションでしかなく、「研修+限定的就労」という性格をもつものであり、ほかの留学生やIT技術者の受け入れとも違って、決して最善の枠組みではないという批判も飛び出た。韓国では日本と同じような外国人研修生制度を実施していたが、これをやめて、今では外国人労働許可制度という新しい枠組みで基本法まで制定している。もうそろそろ二国間協定を超えて多国間協定に踏み込む必要があるのではないかという意見もあった。「派遣切り」などといわれる外国人労働者にとっては逆風の吹きすさぶ中であったが、経済循環に規定されない労働力需要のひとつとしての看護・介護に注目しなければならない。日本は、外国人労働力を導入するなら、今の規模ではコストがかかるだけであるから、もっと大量に受け入れるように踏み切らねばならないという提起もなされた。

第2日の議論では、もっぱら外国から介護・看護人材を受け入れた経験とそれを支援する受け入れ病院・施設の努力、地方自治体の努力など、国内外の経験が報告された。そこでは、EPAの枠組み以外の先行事例として、ベトナム人看護師の研修受け入れ、在日フィリピン人のヘルパー2級資格者就労受け入れなど日本のケース、外国人看護・介護人材を積極的に取り入れている多民族国家(7ヶ国語が使用されている)シンガポールのケース、外国人労働者の4割以上を占めることになった看護工と呼ばれる介護人材などに対する支援のために11人のバイリンガルを配した公設支援センターを設置している台湾のケースなどが紹介された。またEPAの枠組みで動き出したインドネシア看護師・介護福祉士候補者に対する日本語教育の現状も紹介された。外国人看護・介護人材のコミュニケーション能力を一方的に要求するだけでなく、受け入れ病院・施設側の「よろず相談担当者」配置や継続的な研修機会の保障、自治体における雇用主と被雇用者に対する遵法指導相談、地域社会の理解など、受け入れる側の改善努力も不可欠であることが改めて浮き彫りになったといえる。



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