合併公告の費用・タイミング・手続きを解説

M&Aの基礎

2022.1.611 months前

合併公告の費用・タイミング・手続きを解説

合併公告は、合併することを株主や債権者に通知するための手続きです。合併に関する手続きは会社法に定められており、合併公告などの一部手続きについては、適切に行われなかった場合には罰則が設けられています。正しい手続きで合併を進められるよう、合併公告の手続き・タイミング・費用について、おおまかなルールを知っておきましょう。

合併公告とは

複数の会社をひとつに統合する「合併」は、会社法に手続きが細かく定められています。その中に、合併する契約が締結されたことを、株主や債権者に知らせる「合併公告」という手続きがあります。

合併公告をしなければならない理由

合併には、「新設合併」と「吸収合併」がありますが、いずれの場合も、消滅する会社の資産・権利・義務が、存続する会社に包括的に引き継がれます。そのため、株主や債権者が不利益を受ける可能性があるのです。そこで、合併公告を義務づけ、債権者保護などの機会を設けているのです。

合併公告を行うタイミングは?

上記のように、不利益を被るかもしれない株主や債権者を保護することが目的であるため、合併手続きが完了する前に合併公告をしなければなりません。具体的には、「合併契約が締結されてから、合併効力発生日の前日の1か月以上前まで」に行われます。

合併公告を掲載するのは、官報・個別通知・日刊新聞紙・電子公告のいずれかの方法で、定款に定める方法によります。ただ、「日刊新聞への掲載または電子公告で公告を行う」と定めている場合は、官報と定款で定めた方法の2つで行えば、債権者個別の通知は不要です。

また、合併の際には、決算公告をすることも義務づけられています。合併公告を出した後、株主総会での承認が行われますが、その翌日以降に決算公告をしなければなりません。決算公告では貸借対照表の開示をしますが、大会社に分類される会社の場合は、公開会社・非公開会社を問わず、損益計算書の開示も必要です。

M&Aに伴う合併公告の手続き

合併公告の手続きは、新設合併か吸収合併かで少し異なります。それぞれの手続きの流れを大まかに解説します。

【新設合併】

  • 1.合併契約の締結
  • 2.合併公告
  • 新設合併の効力発生日は、新設会社の設立登記を行った日です。設立予定日からさかのぼって「合併効力発生日の前日の1か月以上前まで」に合併公告ができるようにしておきましょう。

  • 3.合併に関する書類を会社に備え置く
  • 4.株主総会での決議・決算公告と債権者保護手続きを行う
  • 5.新設会社の登記を行い、合併の効力が発生
  • 6.合併後の合併に関する書類を会社に備え置く
  • 7.新設会社と被合併会社の合併に関する登記手続きを行う

【吸収合併】

  • 1.合併契約の締結
  • 2.合併公告
  • 吸収合併の効力発生日は、合併契約を締結する際に決定した日となります。その日の前日の1か月以上前までに合併公告が必要なので、手続きが間に合わなくならないように準備しておきましょう。

  • 3.合併に関する書類を会社に備え置く
  • 4.株主総会での決議・決算公告と債権者保護手続きを行う
  • 5.合併の効力発生後の合併に関する書類を会社に備え置く
  • 6.合併に伴う登記手続きを行う

合併公告にかかる費用

合併公告を掲載するためには費用がかかります。官報に合併公告を掲載する費用は全国一律です。

会社関係の公告:1行あたり3,589円(消費税を含まない本体価格で3,263円)
※1行は22文字詰め

公告内容によって量が変わりますが、10行で35,893円、20行で71,786円(いずれも消費税込)です。1行あたりの文字数は決まっていますが、文字数ではなく行数で金額が変わる点に注意しましょう。

不安なときは専門家に相談しよう

新設合併・吸収合併を問わず、合併は会社法で定められたルールに従って進めなければなりません。特に、合併公告は義務づけられているものであり、公告がなされなかった場合、期限までに通知されなかった場合には、罰則規定があります。また、合併公告から効力発生日までの日数が定められているほか、株主総会の招集通知発送日や決算公告なども関係してきます。

このように、合併するために必要なさまざまな手続きを漏れなく進めていかなければなりません。少しでも不安な点がある場合は、事前に専門家に相談して、適切に手続きを進められるようにしましょう。顧問弁護士がM&Aに詳しくないのであれば、合併にあたって相談するM&A仲介会社に相談するのもおすすめです。

おわりに

合併公告は、会社法で義務づけられているものです。合併することで不利益を被る株主や債権者がいるかもしれないため定められており、違反した場合には罰則も設けられています。

合併公告をするのは「合併契約が締結されてから、合併効力発生日の前日の1か月以上前まで」とされていますが、公告以外の手続きも含めていくつもの手続きを行わなければなりません。不安なことがあれば、その都度、専門家に相談するなどして、適切に手続きを進めましょう。

この記事を書いた人

シニア・プライベートバンカー、MBA(経営学修士)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、日本証券アナリスト協会認定アナリスト横山 研太郎

ねこのて合同会社 代表。大手メーカーで経理、中小企業の役員として勤務したのち、ファイナンシャルプランナーとして独立。金融機関での経歴がないからこそできる、お客様にとってのメリットを最大化するプランを提案している。オーナー企業での役員経験を活かし、経営コンサルティングからオーナー様の資産管理・資産形成まで、幅広い相談に対応できることを強みとする。

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