簿外債務

M&A用語

2021.8.13 months前

簿外債務とは

簿外債務とは、帳簿の外つまり貸借対照表に記載されていない債務のことです。会計上、どのような取引が仕訳処理されるかのルールがありますが、全ての債権債務をカバーしきれるわけではなく、どうしても簿外債務が生じてしまいます。

簿外債務には、将来発生する確度の高いものとそうでないものとがあります。

ほぼ確実に発生するものには、リース債務や未払賞与・未払退職金などが挙げられます。このうち未払退職金は、定年以外の退職でどれぐらい発生するか推定しにくいものです。

上場企業などであれば退職給付引当金を計上していますが、中小企業では退職給付引当金を計上せず、退職金の支払いをした時に一度に費用計上しているケースがほとんどです。

一方、将来発生する確率が低く負債額を正確に予測できないものは「偶発債務」と呼ばれます。他社の債務保証をしていたりする場合の「保証債務」や訴訟された場合の「損害賠償金」などが挙げられます。

M&Aにおける簿外債務

M&Aにおいても簿外債務を把握することが重要です。貸借対照表だけをもとに企業価値を算定してしまうと、簿外債務が生じると大きな損失につながります。そのため、デューデリジェンスの際には、簿外債務がどれくらい存在するかを慎重に調査しなければなりません

リース債務や未払退職金などは想定しやすいですが、訴訟リスクなどの偶発債務は評価が非常に難しいものです。売り手側からしっかりと情報提供を受けるようにしましょう。

一方、売り手側も積極的に情報開示をしましょう。簿外債務が発覚することで譲渡価額が下がってしまう事を嫌う気持ちもわかりますが、情報を隠そうとするのはよくありません。最終契約で簿外債務が存在していないことなどを表明保証する条項が盛り込まれることが一般的であるため、譲渡後に簿外債務が発生すると、その責任を問われることになってしまいます。

お互いの信頼関係構築のためにも、簿外債務に関する情報も適切な情報開示をしましょう。

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