クラウンジュエル

M&A用語

2022.1.124 months前

クラウンジュエルとは

クラウンジュエルは買収防衛策の一種で、「焦土作戦」とも呼ばれます。敵対的買収を仕掛けてきた企業は、買収される企業について何らかの魅力を感じる部分があったから買収を試みています。そこで、買収されるのを阻止するために、「買収者が魅力に感じている事業・資産」などを、第三者に譲渡したり分社化したりして、自社の魅力を消してしまうという方法です。クラウンジュエルは「王冠の宝石」という意味ですから、この宝石を外してしまおうという手段だと言えます。

クラウンジュエルは現実的には難しい?

ただ、現実的にクラウンジュエルを実行するのは非常に難しいと言えます。会社法上、重要な事業の譲渡には「株主総会の特別決議」が必要で、簡単にできることではありません。

一方、重要な財産の譲渡であれば「取締役会の決議」でよく、株主総会を開くことなく、すばやく敵対的買収に対抗することができます。たとえば、重要な財産を譲渡することを取締役会で決議すれば、敵対的買収にすばやく対応ができるかもしれません。しかし、自社にとって重要な財産を譲渡するということは、敵対的買収を阻止できたとしても、その後の事業に悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。

クラウンジュエルを実行することは、「自らに傷をつけてでも敵対的買収を回避する」ことであり、株主にとっては望まない行為かもしれません。もし株主に「企業価値を毀損させた」「取締役が自らの立場を守るためにクラウンジュエルを実行した」などと考えられてしまうと、取締役が善管注意義務違反・忠実義務違反を問われる可能性もあります。

クラウンジュエルで対抗できると考えるより、敵対的買収の対象にならないように努めるべきでしょう。

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