競業避止義務

M&A用語

2021.8.13 months前

競業避止義務とは

競業避止義務とは、一般的に、「一定の者が自己又は第三者のために その地位を私的に利用して、競争的な取引をしてはならない義務」です。

例えば、役員や従業員が同業他社でも兼職をして、自社の不利益につながるようなことをするケースが考えられます。従業員が同業他社へ入社するのを禁止し、誓約書を書かせることもできますが、従業員が退職した後については規定が無効とされるケースもあるので注意が必要です。

競業避止義務は商法・会社法・労働法に制定されているものですが、それ以外の場合でも契約に盛り込むことが可能です。

M&Aにおける競業避止義務

M&Aにおいても、競業避止義務が契約内容に盛り込まれるケースが一般的です。譲渡された企業をこれまで経営していた「売り手側の経営者」に、新たに同様の事業を始められてしまうと、買い手側はM&Aの目的が果たせず、非常に大きなリスクがあると言えます。

そこで、M&Aの最終契約を結ぶ際、経営者などが、一定期間・一定の範囲で、競合にあたる事業を始めることができないようにしたり、同業他社への転職やコンサルティングを禁じたりする条項を盛り込みます。もし、M&Aの成立後に競業避止義務違反があった場合、買い手側は売り手側に対して損害賠償請求ができます。

なお、事業譲渡の場合は、会社法21条に競業避止義務に関する定めがあります。事業譲渡にあたって、競業避止に関する取り決めがなされなかった場合でも、「同一市町村と隣接する市町村の区域内で、20年間同一事業を行ってはならない」と定められています。

ただし、双方が合意すれば競業避止義務を排除したり、会社法に定められている条件とは異なる設定にしたりすることも可能です。

M&Aの成否にも影響を与えることですので、細心の注意を払い、トラブルが起こらないように条件を定めることが重要です。

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