親族外承継

M&A用語

2021.11.162 years前

親族外承継とは

親族外承継は、子供や親族ではない人物に事業承継する方法です。誰が後継者となるかで、社内の役員や従業員が後継者となる「社内承継」と、M&Aで社外の第三者に株式などを譲渡する「社外承継」に分けることができます。

親族外承継は、社内人材だけでなく、社外まで広げて後継者候補を探すため、自社を引き継ぐのにふさわしいかどうかを判断して後継者を決められることがメリットだと言えます。

親族外承継のうち社内承継の場合は、自社の内情や経営方針を理解したうえで事業を引き継いでもらえるため、社外承継よりもスムーズな事業承継が可能です。

一方、デメリットになる最も大きな問題が、買い手となる後継者の資金力です。親族外承継は、株式や事業を譲渡するM&A形式で進められます。そのため、多額の買収資金を用意する必要があります。自己資金だけで賄えることの方が少ないでしょうから、金融機関などから資金調達しなければなりません。また、中小企業では事業資金の借り入れをする際、経営者が個人保証しているのが一般的です。

特に社内承継の場合は、買収資金を借りることや個人保証を引き継ぐことがネックになり、後継者が見つからないケースも少なくありません。

事業承継が完了した後の注意点が、経営方針などが大きく変わってしまうリスクがあることです。大まかな方針は現在の経営者と近かったものの、細かい方針で違いがたくさんあり、新しい経営者と方針が合わないと考える人材が流出してしまう可能性もあります。

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