親族内継承

M&A用語

2021.11.162 years前

親族内継承とは

事業承継をする場合、子や親族に承継してもらうのが「親族内承継」です。オーナー企業の事業承継では真っ先に検討されるプランと言えるでしょう。親族ではない人物に事業承継することは「親族外承継」と言います。

親族外承継とは – M&A用語

親族内承継のメリットは、従業員や取引先が受け入れやすいことです。オーナー企業の場合、社内に社長の子供や親族がいれば、従業員や取引先も親族内で事業承継されるだろうと考えていることが多いでしょう。

しかし、子供や親族が後継者としてふさわしい能力を持っているかという問題があります。親族内だから経営者としての能力があるということにはならないため、経営者の地位を引き継ぐまでに、時間をかけて後継者育成をしなければなりません。

兄弟や社内で強い影響力を持つ人物がいる場合には、誰が後継者にふさわしいかをめぐって社内対立が起きる可能性もあります。後継者育成と同様、早いうちから誰を後継者とするか決めておき、兄弟や役員に伝えて、スムーズな事業承継に向けた協力体制を築いておくことも重要です。

なお、それ以外に注意しておきたい点が、親族内承継をしてくれる親族が見つからない可能性もある点です。少子化で後継者候補となる子供や親族が少ないうえ、将来への不安などから事業を引き継いでくれる親族が見つからないケースも増えています。そのような可能性がある場合は、親族外承継も含めて、事業承継方法を検討する必要があります。

また、社内の問題とは直接関係ないことですが、会社の後継者とその他の親族との間で、相続財産の分割にも大きな影響を与える問題でもあります。親族内承継と相続方法を同時に考えるべきです。

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