分社型分割と分割型分割

M&A用語

2021.8.13 months前

分社型分割と分割型分割

M&Aのスキームのひとつである会社分割は、「分社型分割」と「分割型分割」に分けることができます。

分社型分割とは

分社型分割は「物的分割」とも呼ばれる方法で、分割された部分の譲渡対価が「分割元の会社」に支払われます。このとき、支払われる対価を「譲り受ける会社の株式」で支払った場合は、分割元が分割先の会社の株主となるため、親会社(分割元)と子会社(分割先)の関係にすることも可能です。

分割型分割とは

一方の分割型分割は「人的分割」とも呼ばれます。こちらは、分割された部分の譲渡対価が「分割元の会社の株主」に支払われます。つまり、分割元の会社の株主が、分割先の会社の株主にもなるのです。

分割型分割は合併に似た性質があるとも言われます。その理由は、会社分割にあたって全事業を分割先に譲渡し、その後に分割元の会社を解散させれば、吸収合併と同じ結果となるためです。

なお、現在の会社法では、分割型分割に関する規定は廃止されました。しかし、分割型分割ができなくなったわけではありません。「分社型分割を行ったうえで、対価を株主に剰余金として配当をしたもの」が分割型分割と位置付けられています。

分社型分割と分割型分割の違い

分社型分割と分割型分割の一番の違いは、「対価が誰に支払われるか」です。分社型分割では「分割元の会社」に、分割型分割では「分割元の会社の株主」に対価が支払われます。

この他に、事業年度についても違いがあります。分割型分割では分割時の事業年度が継続されますが、分社型分割では、資産・負債の承継にあたって利益積立金をいくら移転するかを確定させなければならないため、分割元の会社の事業年度が分断されます。

以上が、分社型分割と分割型分割の大まかな違いですが、実行する場合は、「新設分割か吸収分割か」、「税制上の優遇が受けられる適格要件を満たすか」も重要なポイントです。こういった点にも注意しましょう。

keyboard_arrow_up